1月8日、あるTwitterユーザの投稿でドコモショップの通称「クソ野郎」事件が発覚しました。
知人が携帯の機種変しに行ったら、書類に店長からのセールス指示書がまぎれていたと。
内容がひどすぎる。 pic.twitter.com/VrdeFvrMOq— 桝本輝樹 (@tide_watcher) 2020年1月8日
騒動の概要
・店員間の情報共有として使用していたメモがお客様の目に触れてしまった
・運悪くお客様を侮辱する汚い言葉で呼称している書き込みがあり炎上
今回の騒動で「クソ野郎」という言葉が注目されていましたが、それ以外でも”オプションサービスをベタ付けする”といったそのお客様に対する営業プランが赤裸々に書かれてあったことが話題となりました。
ちなみに
こういったお客様には見えないところで画策されている
”そのお客様に対する営業計画”
これって他の業界ではあると思いますか?
はい、ここで今回のお話へ入っていきますが少なくとも賃貸営業の業界ではあります。
従事している人間からするとこれは当たり前の話です。
僕は賃貸関係の会社に7年勤めています。今回のドコモの事件を見て思ったことは「どこの業界も同じだな」ってことです。まあ「クソ野郎」なんていうメモは今まで見たことはないですが。。
そういったことで今回は賃貸業界の内部事情を知っているからこそお教えできる一番損をしないお部屋の決め方をお話します。
まさにお部屋を探すタイミングだった方はもちろん、特にその予定がなかった方についてもお部屋探しをする上での新しい一般常識として知っておいて損はないと思います。いつか転居等のタイミングで役に立つかもしれません。
この記事を読んでわかること
・お部屋探しで一番を損しない契約方法について
・賃貸業界の構造(業界内部の人間しか知らない裏話を添えて)について
一番損をしないお部屋の決め方について
最初に結論です。
一番損をしない契約方法は
①希望のお部屋は自分で見つける
②申込みの際、仲介会社へ行かずに目当ての物件の管理会社へ行く
下でそれぞれ説明していきます。
①希望のお部屋は自分で見つける
賃貸のお部屋は誰でもすぐに探し始めることができます。多分みなさんご存じだと思いますがマンションを検索出来る便利なwebサイトがあるのでそこで探しましょう。
自分で探すためのサイト紹介(不動産ポータルサイト)
現在、不動産ポータルサイト(賃貸物件を探せるサイト)は無数にあります。みなさんも利用されたことはあると思います。ザッと挙げるだけでも以下13サイトぐらいあります。
変わり種サイト
- 【成約時にキャッシュバックを行なってもらえる】
- door賃貸
- キャッシュバック賃貸
これ以外にも、例えば日本各地のその土地その土地の不動産屋さんなどもサイトを持っているので本当に無数のサイトが世の中にあることになります。
ここで一つ助言です。
もしあなたがお部屋を探したいなと思ったとき、そのとき取り得るパイはネット上に全て挙がっています
今の時代、不動産屋さんに行って初めて知り得る物件などは無いです。つまり基本的には街の不動産屋さんに相談に行く必要はなく、ネットで自身で探せばよいということが言えます。
”ネット上に全て物件は挙がっている”の裏付け
大家さん(管理会社)は空き部屋が出ればできるだけすぐに次の入居者を見つけたいです。理由はもちろん家賃収入を得るためですね。では具体的に空き部屋が出たときまずどうするか?
→もちろんネットに掲載します。理由はより早く、より多くの方に情報を届けられるからです。
そして各管理者(大家さん or 管理会社)が利用するネット媒体はバラバラです。なのでHOMESには乗っているけどathomeには無いみたいなことは多々あります。
なので自身でお部屋を探すときはできるだけ複数のポータルサイトを使って探していく必要があります。
②申込みは”仲介会社”ではなく目当ての物件の”管理会社”へ
そもそも仲介会社とはどんな存在なのか。
昔ネットなどもない時代、賃貸部屋を探す手段は”街の仲介会社さんに行く”ぐらいしかなかったと思います。昔は大家さんが持つお部屋とお部屋探しのお客さんをマッチングさせる場でした。
しかし現代はネットがあります。オーナーが情報を発信してそれをユーザーが直で受け取れる環境があるわけです。なので”中抜き”にわざわざ声をかける必要がないのです。
例えとして、物販も一緒ですよね。今は問屋なんて聞かないですが、もしある商品が問屋を経るごとに値段があがっていくとします。通常、消費者はそうやって身近に流通してきた”中間マージンの乗ったもの”を購入するしかないですが、もし消費者が生産者と直接やりとりできるパイプがあるとすれば、それを利用して安く購入しますよね。中間マージンという無駄が省けるのであれば省くに越したことは無いと思います。
技術の発展によって淘汰される業界があるというのは時代の流れ的にも止めようがないことだと思います。今の賃貸業界の構図はこういった状況です。
では上記を踏まえつつ、次の点を覚えておいてください。
不動産ポータルサイトで目に止まるお部屋の広告はほぼほぼ仲介会社からのものです。
それは例えばA物件の管理会社は1つなのに対し、それを紹介したい仲介会社は無数にあるという状況から必然的にそうなるのです。
それゆえ何も意識することなく”気に止まった物件について”お問合わせする”ボタンを押してしまう”とたいてい仲介会社のほうへ連絡がいくのです。
もしそこで個人情報を入力したら最後、世にも恐ろしい地獄の賃貸営業が始まります(笑)
体験したことがある人もいるんじゃないでしょうか。
【地獄の賃貸営業とは】
・鬼のメール連絡・・・とにかく連絡が来ます。裏側を言うと「そのお客さんが契約になるまで追いかけろ」という姿勢のもと動いています。従って甘い態度でいると一生メールが入り続けます。「他社で決めた」と申告しても、「どこの会社でどの物件を決めましたか?」まで聞き込みしてきます。いやあ怖いですね笑
・鬼の電話連絡・・・メールと一緒ですね。裏側としては当然「成約に持っていきたい」という意図があるので、来店を強く促してきますし、または電話で契約する(決心させる)というのもザラなので迷って漂っている心をグイグイ引っ張ってきます。そこにストレスを感じる人は多いはずです。
※ちなみに僕の会社でやっていることではないです(笑)勤めている会社はほぼ管理会社で”仲介部門も一応持っている”ぐらいの構造です。これらは過去に自身が他社に問合わせをしたときの実体験とそして現在の業界の常識/慣習で説明しています。
仲介会社にかからないほうが損がない?
仲介会社は反響営業しか集客手段のない業界なので”問い合わせ者は絶対に逃さない”という意気込みが営業マンにはあります。そして成約件数によって歩合報酬を得ているのですが、狙えるのであればその1件の売上もできるだけ大きくしたいと思っています。
そういった背景があるが故にエンドユーザーは損をする可能性があります。その内容はこうです。
【起こりうるエンドユーザーの損(不利益)】
・ストレスを感じる過度な営業
上で述べた通りメールや電話営業は多くの方にとってしつこいと感じるものになるかもしれません。そして例えば来店になり物件を内覧したとして契約になればそれはそれでよしと思いますが、もし検討で帰ろうとする場合、なかなかすんなり帰れないはずです。それはお客様を逃さないための最後の営業があるからです。
「押さえておかないと無くなりますよ?」
「他社へ行かれるんですか?その他社さんで見る予定の物件を教えてください。うちで紹介できます」
「帰って旦那さんと相談するという理由であれば今日の夜それができると思いますので、明日の朝検討結果確認で連絡させてもらいます」
・意図しない物件で契約してしまう
業界では当たり前のことですが、例えば仲介会社がA物件を成約したとすればA物件の管理会社から仲介会社へ手数料が支払われます。物件によってその金額は違います。管理会社は早く決めたい物件にこの手数料を多く積む訳ですが、その圧力はそのままお客様までかかっているいるように感じます。
”過度な営業”についてはこんなことされたらとにかくストレスですよね。時間的にもメンタル的にも損でしかないです。
ただこれは個々人の感覚の話なので、どうってことないっていう強い人もいるかもしれませんね。
そして二つ目の「意図しない物件で契約してしまう」これは補足が必要です。誰だって本当に意図していないのであれば契約をしませんよね。営業マンも催眠術師ではないのでそんなレベルの話をひっくり返したりはできません。でも例えばこういったケースです。
お客様がある2つの物件で迷っていたとします。ただ心は7.8割A物件希望、しかしB物件のほうが仲介会社的には入る手数料が多かったとします。こういうケースでは一般的に営業マンはB物件のほうを推すと思います。
その具体的な方法は単にB物件の良いところを再度挙げていく、A物件については悪いところを挙げる。それだけの行為かも知れません。そしてそれら挙げる要点は嘘ではなくあくまで客観的な事実です。
そういったお話をした結果、最終本人も納得のうえB物件が成約になった。
こういった感じで営業マンは一定レベルお客様の心を動かします。コントロールしてきます。これはお客様が条件を付して問合せを行った時点で、お店側では大筋が練られているんです。
そうです。こういったワンシーンも含めて言えるのが
”お客様に対する営業計画”があるということです。
仲介店にかかるとこういった点で「損」を被る可能性があります。僕が言いたいのはいわゆる金銭的な損のことではありません。
そして現状取れうる”管理会社を確認する方法”はgoogleストリートビューで建物のエントランスを見てみるという方法しかないです。ネット上では「管理会社はここです」という情報は基本載っていません。ただし現実世界の建物入口には管理会社の看板を貼ってあるのでそれを確認するのが早いわけです。近くならそれを見に行くこともありです。
管理会社について
管理会社に連絡することのメリット
上で述べた”仲介会社で営業計画に乗せられること(選択をコントロールされること)”を避けられます。一番のメリットはこの点です。
自身で決めた物件にそのまま中抜き無くストレートに交渉をすることができるって非常に合理的です。
【金銭的にお得なことはあるのか?】
残念ながら基本的には無いです。ちょっと考えてみると「仲介会社じゃないんだから仲介手数料がかからないんじゃないの?」と思うかもしれません。しかしこれは発生してしまうのです。
法律上は大家さん(オーナー)とお客さんが直接お部屋の契約をする場合は仲介手数料がかからないとされているのですが、管理会社とお客さんが契約をする場合は仲介手数料が発生します。
この点なんとも腑に落ちないことは共感します。そして現状、広く日本の賃貸運営の状況を見てみると大家さん(オーナー)が管理をしている(どことも管理会社契約をしていない)物件というのは少ないです。
つまりどこの物件を契約するにしても基本は仲介手数料は発生するということになります。
まとめ
仲介会社の件ですが、どこの営業の世界でも売上を最大化するため多かれ少なかれこういうことってあると思います。
それは住宅の売買の場であったり、車の購入のシーンであったり、ドコモなど通信サービスの販売の場であったり、かんぽなど保険を売る場であったり。
会社って営利目的ですからね。。
なので一概に「業者がずるい、悪い!」とも言えないと思います。
本当は仲介会社もお客様に寄り添って寄り添って、物件の案内等もお客様が納得いくまで何件も繰り返し、そしてそれを何日もかけて対応してあげる、ていうのが真のお客様目線であることはわかっています。
でも対応しているその営業マンの人件費、案内の車のガソリン代など、お金はかかっていくばかりです。業界ではお部屋の紹介や案内は無料というのが一般的ですが、慈善事業ではない以上、当然契約へ持っていく圧力はたっぷりかかるわけです。もし圧力があるように見えなくとも、そこには巧妙なセールス計画がありご成約へもっていくようシナリオが書かれているのです。
【ちょっと余談ですが】
先日ツイッター上で以下の内容が投稿され議論を呼びました。
”よく行くバーの店長が言う「次、何飲みますか?」という言葉は「まだそこに座るなら金を払え」という意味に等しい”
一連のリプライの中に飲食店を名乗るアカウントがあり、こういった旨の発言していました。
「その通り。飲食店が言うと角が立つので一般の方が言ってくれてありがたい」
なんの営業の世界でも本音と建て前はあって、表向きは「見るだけも大歓迎ですよ」「試食タダですよ」「どうぞジャケット羽織ってみてください」「内覧何件でも行かさせていただきますよ」という風に言いますが、タダほど怖い物はないですよね。
何かしら売上につながるようになっていものです。
話を戻しますが、お部屋探しについても人にかかれば当然お金なり何らかの代償が発生します。
お部屋探しを一番損なく進める方法はネットで自分で部屋を決めて、管理元(現代ではほぼ管理会社)へ申込みをすることです。
是非、今回の情報を参考にしてみてください。
しかし、つい先日友人がまさにお部屋探しをするという機会がありこのお話をしましたが、なかなか「じゃあどうしたらいいか」がわからないようでした。もっともっと具体的な所作も含めて伝えてあげました。
僕としても今回のお話はまだまだお伝えできる情報があるのでまたの機会に綴ろうと思います。
その他もライフハック記事を書いているのでよかったらチェックしてみてください。