今回は賃貸マンション契約時のライフハックです。
お引越しを検討されている方でネット上で物件を探し、気に入ったマンションがあったとします。
でもこんな疑問が湧いたことはありませんか。
その点気になりますよね。
毎月のことだから可能であれば1,000円でも安いほうが良いと考えるのが本音だと思います。
これはリーズナブルなマンションを選ぶ方でも、高額帯のマンションを選ぶ方でも同じ考えをもたれています。
僕は不動産会社に務めています。
この業界は内部の人間と一般の方との間の知識量の乖離が大きいです。
つまりどうしても業者側に有利な取引になりがちだと感じています。
有利の意味は抽象的で幅が広いですが、例えばあなたの「物件の選択」にさえ業者の意図が反映されていたり。
そして最初に結論ですが残念ながら「値下げをさせる方法」という確実なものは存在しません。
ただしできるだけ情報を得てベターな行動をとることは可能です。
そういった意味で今回は一番安いお家賃で入居できる可能性を助ける情報ということで共有しておきます。
ちょっと言い回しが難しいですが笑
HOMESの物件アーカイブのページを参照する
不動産検索サイトHOME'S
大手不動産検索サイトのHOME'Sを利用した方法です。
普通に物件を検索する操作であれば誰でも行ったことがあると思います。
でもHOMESでは意外に知られていないある有用な情報提供があります。
それは賃貸掲載履歴というものです。
賃貸掲載履歴について
賃貸掲載履歴とは
簡単に言うとこうです。
過去、募集に出されていたお部屋の履歴
つまりそのマンションについて以前はどれぐらいの家賃で募集がされていたかが履歴としてズラっと確認できるのです。
これって過去に値下げ募集が有ったか無かったかが判断できます。
もしお部屋を見つけて飛びついたけど、実は去年に比べて1000円あがっている可能性もありますし、または数ヶ月時期を待ったほうが例年の安売りタイミングがあるのでお得だったりする可能性もあります。
そのあたりについて過去の実績を見て考えることができます。
【使い方】
Google検索欄で「物件名 HOMES」で検索
※HOMEの画面内から行くと探しにくい
一番上に出てくるHOMESのページがそれ
履歴の見方
過去に家賃の値下げがあるか確認する
例えば見え方はこんな感じです。
あるマンションのそのページです。
募集広告の条件と出ていた期間がわかるものです。成約すれば通常広告は消します。
できるだけわかりやすく1階に2部屋のマンションを探してきました(本当は1階に1部屋のほうがわかりやすいですがそのマンションは実際少ない)
例として9階のお部屋を自身が狙っているとして考えてみましょう。色を付けてみました。
※このマンションは同タイプの部屋が1階に2つあります。今回は一緒に混同して考えます。
さて今後9階のお部屋が募集に出されるときいくらで出される可能性があると思いますか?
早々に答えですが、6.6万円で出される可能性があります。
理由は表に載っているそのままで、2019年1月~2019年2月、2019年4月~2019年6月の時期にその家賃で募集がされているからです。
直近の2020年6月の募集では6.8万円の家賃ですが、一度募集に出した6.6万円の家賃、今後もこれで募集がだされる可能性が高いです。
【そう言える理由】
家賃の下落傾向が認められるからです。
6.6万円が昔からの設定家賃かといわれるとそうではないですね。
直近だと2017年3月~5月に7.0万円で募集がされています。
ちなみに履歴がある最も古い募集は2011年6月で7.1万円のお家賃です。
家主としては本当は7.1万ぐらいでずっと貸したいんでしょうけど色々な事情で家賃は下がってきているわけです。
時期による家賃の変動を確認する
1年の中でも時期によって募集家賃は変わります。
具体的には「積極的に値下げも行って契約を取りに行くタイミング」というのがあります。
<一般的な値下げタイミング>
①2月3月に売れ残っている場合
日本の住居移転の最盛期は3-4月です。学校も企業も通常は期首が4月です。4月へまたぐとしばらく閑古鳥状態です。「売れ残って4月へまたぐよりは」という計算でセールがある可能性が高い。
②その物件の退去数が多いとき
これは特に2月3月に限定されません。例えば11月に入退去アンケートを回収するマンションがあったとします。ほぼ大学生のマンションで新築4年目、卒業でみんな出ます。もしアンケートで大量の退去希望が来た場合は早くからディスカウントする可能性があります。
③4月以降へ跨いで売れ残った場合
放置しておいても成約する可能性が少ない時期です。何ヶ月も家賃収入0になるよりは思い切った値下げでセールする可能性あり。しかし諦めで元の設定家賃のままというケースも多い気もします。
上の表だと直近の2階で①のケースが確認とれます。12月まで7.2万だったものが1月から6万になっています(でもこれは他の何か要因もありそうです。値下がりしずぎです。)
様々な事情で値下げはあります。
この観点で9階のお部屋を見ると2019年1月~2019年2月の6.6万円での募集というのは何か早く成約したい理由があったのだと思われます。
2020年の3月では6.8万円にアップしています。これが本来設定されている募集家賃な気がします。
こういったかたちで過去の募集家賃を見ていろいろと考察ができます。
この方法は過去にHOME’Sで募集広告が打たれたケースしか確認できません。募集広告としてHOMESを使わないケースというのは全然ありえるので、万能というわけではありません
そもそも設定される家賃って変動しているのか
この点も業界人じゃないと知らない世界だと思います。
そもそも一般の方は数年に一回引越の機会があるかどうかという話であって、ある物件の家賃を追ったことがないですよね。
そして質問の答えとしては「変わります」になります。
正確には変えざるを得ないというところになりますね。
家主側は当然賃料の下落を防ぎたいです。そのまま収入ダウンになるので。
できたら建ったときの家賃でいつまでもいきたいと思っています。
でもモノは劣化していくのでその幻想は叶いません。
しかし正直物質的な劣化はそれほど問題ではないです。
築10年、20年という物件でも問題なく住めますもんね。
修繕なども行っている(はず)ので物質的な面で問題なんてまず数年では起こりません。
仕事をしていて僕が個人的に思う家賃が下がっていく主な要因は人々の頭の中での物件劣化です。
例として築浅物件と新築物件が隣り合って立っていたとします。グレードは一緒です。
設備やお部屋の帖数など条件も同じ部屋とします。もしどちらも家賃が一緒なら、新築のほうを選びたいと思いませんか?
頭の中では1年経っただけで新築に比べてもう劣化しているんです。
正直、築3年も4年も5年も新築とほぼ変わりないです。住むのにめちゃめちゃ快適だと思います。
でも1対1の真っ向勝負になった場合、築浅が新築に勝つには金額的なメリットを出すしかないように思います。
これは極端な例ですがやはり通常同じ家賃をいつまでも維持するというのは不可能です。
家賃は変動していきます。
今の日本だと輪をかけて人口減の問題がありパイ数が減少している点も見逃せません。
ちなみに家賃が下がらない例外もあります。それは何かしらの特殊事情があるケースです。
例えば人気のマンモス大学のすぐそばに立っているマンションなどです。家主が強気の家賃設定だとしても毎年大量の人(学生)が来るから、結果ずっと満室といったケースがあります。
まとめ
こういったことで狙った物件がある場合はHOME'Sの賃貸掲載履歴で過去の募集賃料を見てみるとよいと思います。
もし11月ぐらいにある物件にめぐり会ったとします(引越は3月の予定)
でもそのときの家賃がいわゆる過去からの通常の賃料であり、そして過去2月3月に値下げしている履歴も確認が取れたとします。
このケースだともうちょっと待ってみるとまた家賃が下がった状態に会えるかもしれません。
思いもよらない有用な情報があるかもしれません。
ただしお部屋探しは一期一会なのでそれで埋まってしまっては元も子もありません。もし上記戦略を取ってみる場合は合わせて空き部屋の数などもしっかり確認しておきましょう。もしたっぷり部屋があるならまだ安心できますからね。
ちなみに履歴で安い家賃が載っていたからと言って値下げを真正面から主張しても家賃が下がるかと言わればそれは難しいです。理由は上で述べたとおり値下げには事情があるから。管理会社が「今年は大丈夫」と思っているなら下がりません。
そして賃貸のお部屋のことを問い合わせる際は管理会社へ連絡しましょう。
間違ってもHOMESやSUUMO、athomeで、物件情報のところに載っている業者へ盲目的にそのまま問い合わせするのはやめておきましょう。
理由はそれが仲介業者である可能性があるからです(管理会社のケースも全然あります)
ある物件について一番良く知っているのは当然その物件の管理会社です。
簡単な管理会社の調べ方はGoogleMAPでその物件のエントランスを目視してみるという方法です。
運がよかったら管理看板というものがかかっているのでその番号へ問い合わせをすればよいです。
ただし現代だと管理会社にかかる方がとくに金銭的にお得ということではありません。
例えば管理会社からの契約でも「仲介手数料」ってたいてい発生します。
管理会社や仲介会社のお話はこちらの記事のほうで述べています。
ちょっとでも有益な情報を得て理論武装してからお部屋探しに向かうのがよいと思います。
お役に立てていただければと思います。
僕のブログではライフハックやコンパクトで有用なモノについての記事を書いています。気になる記事があれば是非チェックしてみてください。
【ライフハック】
【コンパクトなモノ】